「好きな人を前にした時、どうして僕たちは普通でいられないのか? (小学生編)」後編

はいさ〜い💕ケン坊だっちゃ!
今日は昨日の続き。
昨日のブログを読んでない人には全くもってわからない内容になっとるんで、その辺よろしく!






お父様
「はい、ケンちゃんお待たせ」

遂にY美のお父さまに髪の毛を切ってもらう時間が訪れた。

お父さま
「ケンちゃん、髪の毛まだ短いよ。お母さんに切っておいでって言われたん?」

オレ
「・・・・・うん。」

そう、一番の問題はオレの髪の毛がまだまだ短い状態だった事。
お父さまも何処をどう切ればよいのかわからない状態。


オレの心の声
「ど〜しよ!オレの髪の毛ってそんなに短かかったっけ?」



髪の毛なんかど〜でも良いねんけど、このまま帰るとY美に変な情報がいってしまう。切るとこないのに何故かY美の散髪屋に来た同級生。

アッカ〜〜ン、それは完全にヤバイ方向にいってまう奴や。




こんな事になるならたまに遠くからY美の事を見てるだけにしとけば良かった😣

「オレがY美の事を好きって」のがバレさえしなければ少なくとも年に2、3回は話す機会もあったやろし、奇跡が起きればY美と数人の女子、オレと数人の男子で一緒に遊ぶ!とかって僥倖もあったかもしれない。オレの浅はかな作戦のせいで「オレがY美の事を好き」なことがバレたら年に2、3回の会話も無くなり、只々みんなにオチョくられるだけの小学校生活がスタートしてしまう😱

ここは譲れない。
なんとしても髪を切ってもらわねば・・・・。

心の声
「くそ、このクソ親父、つべこべ言わんとさっさと切ってくれれば良いものを・・・。お金を払うのになんでこんなに気を使わんといけんのんや!😫」



悶々と何かを考え、困っているオレを見たY美の親父が優しく言った。
「ほなちょっと整えてカッコ良くしよか!はい、座り。」



オレをシートに座らせた親父、イヤお父様は手際よく支度し、オレの短い毛を切り始めた。

お父さま
「ケンちゃん、学校どないや?楽しいか?」

オレ
「まぁまぁ。・・・・です。」

お父さま
「ケンちゃん、サッカーしとんねんな。レギュラーか?」

オレ
「・・・・・、はい。(嘘)」

お父さま
「サッカー、カッコえ〜な〜。オッチャンもJリーグ見とるんやで。好きな選手おるんか?」

オレ
「・・・・、ペレイラ。(嘘)」
(ホンマはカズが好きやったけど通(つう)な感じを出したくて珍しい名前を出した。

お父さま
「ケンちゃん、Y美とは仲良〜んか?」

キタァ〜〜〜〜!!!
遂に訪れたその会話。
待ってましたよ、この時を!
アンタの娘は女神さん!
おくれよ、おくれよ、兵隊さん!


ここをミスったら全てが終わる。
人生の瀬戸際!別れ際!剣が峰!霧ヶ峰!

や・の・に、
ロクな事が言えない!

オレ
「あんまり知らんです。」

お父様
「ホンマか〜。あいつ、静かで面白ないやろ!?」

オレ
「・・・。みんなそんなもんちゃいますか。Y美は結構男子にモテてますよ。」



うおぉ〜〜、オレ突っ込んだなぁ〜〜。完全に勝負を堰(せ)いとるやないけぇ〜。何を強引に恋愛話に持って行きよんねん、オレ!
アカン、落ち着け、落ち着くんヤァ〜〜。



お父様
「ホンマか〜〜、ケンちゃんは優しいな😌ケンちゃんは好きな子おるんか? 笑笑」

オレ
「・・・、います。」

お父様
「お!男らしい。ハッキリ言うたな。Y美ではないんか?(ニヤニヤ)」

オレ
「・・・。かわいいとは思いますよ。」


お父様
「なんや、Y美とはちゃうんか〜。ケンちゃんやったらオッチャンも安心なんやけどなぁ〜。」


キタァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

まさに僥倖!
雨降って地固まる!
盆と正月!


なっんちゅ〜〜事を言い出すんや、このお人だけは!!!
小学四年生の心の高鳴りをなんやと思てるねん!!!
保険入り直さなイかんで、しかし!


え〜感じやないか!
畳み掛けるなら今なんちゃうか!?

オレよ、なんか気の利いた言葉を出せ!ここが勝負所や!
勝負の勘をフルで働かせろ!

なんでもえ〜から絞り出せ!
う〜ん、う〜ん。

オレ
「オレ、少林寺拳法を習ってたんですよ。でも足が遅くて・・・。Y美ちゃん、足早いから今度走り方教えてもらおかな。」



はぁ〜〜?なんじゃそりゃ!
日本語になってない〜〜〜!!!

オレはどんな答えが欲しくて、そんな禅問答みたいな問いかけをお父様にしとるねん!
少林寺自慢したいのとY美にお近づきになりたい願望を詰め合わせた「一人で欲張りパック」になってしもとるやないケェ〜〜!
(しかも少林寺拳法もジャッキーチェンに憧れて入ってみたものの先生が少林寺拳法未経験の近所の喫茶店のオッさんやったから三日間、道場行って腕立て伏せしただけやのに!)

完全に意味不明!気持ち悪い奴!体操服に習字の墨が飛んで汚すぎ!白い靴下ほつれた貧乏人!髪の毛無いのに切らせる常識外れ!町内の恥!Y美は学年1モテてる女の子。
オレとY美はウンコとケーキ!おくれよおくれよ兵隊さん。床屋はどこや?干物で着物、そりゃ見物!

完全に混乱!

お父様
「お〜〜、Y美は足速いんかぁ〜。それは知らんかったわぁ〜。ほんでケンちゃん少林寺やっとったんや。Y美になんかあったら守ったってなぁ〜。」

オレ
「はい。」


またまたキタァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
これって男と男の約束???
Y美モテモテでY美の事好きな奴めっちゃおるのに、実のお父様から「Y美を守ってくれ」と、そんな事を頼まれたのはオレだけやろ!?

”勝ち確”やん!

その日の夜の”Y美”家の晩飯ではかなりの高確率でオレの話出るんちゃう??
儲けもんや!来て良かったぁ〜〜!

結局、その日はY美には会えないまま髪を切り終わり、お会計をしてY美の散髪屋を出た。

お父様に5000円札を渡したらお釣りが4700円も帰ってきた。

お父様
「ありがとう、お母さんに殆ど切って無いですからって言うといてなぁ〜〜。。」


外に出ると日は暮れかけで空は真っ赤だった。

いつもの近所の豆腐屋のラッパの音が響き渡る。
「パァ〜〜〜〜〜、パラ♩」


おれにとっては最高の日になった覚えがある。


後日、学校にてまた二人の女子がオレの方へ走り寄ってきて言った。

女の子達
「河井、Y美の家の散髪屋に行ったんやろ!Y美が言うてたで。Y美、河井が座ったシートには一生座らんって言うてたで。」

女の子達は走り去った。

オレ
「・・・・・・・。」


しかし、A子の時とは違う。
そんな事で諦め切れるようなヤワな恋心ではなかった。


それから1年経ち、2年経ってもオレのY美への想いは消えることはなかった。
それどころか年が経つにつれ、大人になっていく・美しくなっていくY美にますます惚れ込んでいった。


だが、オレとY美は別々のクラス。
特に交わる事もなく、なんの進展もないまま時は経ち、小学5年を終える事になった。

そして小学6年に上がったその時、転機が訪れた。


なんと!
6年のクラス替えで小学校生活で初めてオレとY美は同じクラスになったのだ!


このクラス替えでオレの小学校という物への概念が180度変わった。

毎日、学校へ行くのが楽しすぎる!
好きな子を毎日ボォ〜〜っと見れるだけでも楽し過ぎた。



そしてその年の夏休みに大事件が起こる。



夏休み、オレは友達二人と三人で自宅の近所で遊んでいた。
その時、偶然プール遊び帰りのY美とT子に出会ったのだ。



オレの友達が二人に話しかけた。



友達K
「なにしと〜ん?』



T子
「プール行っとってんけど人がいっぱいやったから早めに帰ってきて暇してるねん。」




そこから5人でなんとなし喋る事に。



オレは心臓バクバク。
学校外でY美と遊ぶことなど勿論初めての事。



宿題の話とか先生の文句とかを言っていた。



そして急にT子がこんな事を言い出した。
「私の家の近所に誰も住んでない空き家があるねんけど、夜たまにその空き家の中から声がするねん。怖ない?」




「マジで!?幽霊?怖!」
「誰か前の家の人が用事で入ってるんちゃん?」
「いや、夜って言っても0時回ってるねんで!」
「面白そうやん、前まで行ってみ〜ひん?」



話はトントン拍子に進み、空き家に行く事に。



Y美は怖がっている。



オレの心
「な〜んて可愛いんだ!幽霊とか怖いけどそんなんマジで関係ない!Y美と遊べるならオレは何処でも行くで!」



空き家に到着。
なかなかに物々しい雰囲気が漂っている・・・。

オレ
「よっしゃ、入ってみよや!」


みんな
「え〜〜、入るん?」
「怒られるんとちゃう?」
「幽霊おるで、コレは!」


みんながビビる中、オレだけがビビってないという特別感を出してY美に格好つけたいだけになってるオレは一人で突っ走り出した。


オレ
「オレが一番前で行くわ。みんな後から来たらえ〜やん!」


何としてもその日にY美の心にオレを留め置かせるサクセスが欲しいオレとしては、「この何かが起こるかもしれない空き家に入らない」という選択肢はなかった。

オレを先頭にみんなで中に入る。


中は薄暗く、なんとも言えない変な匂いがしている。


薄気味悪く、昔の雑誌やら布団も残ったまま。
みんなビビりまくりで流石にオレもビビっていた。


しかし結局なにも見ないまま終盤まできた。

大体の部屋を全部回り終え、最後であろう部屋に辿りついた俺たち。

最後の部屋に入るとそこには大量の2リットルペットボトルが置かれていた。

「なんや、コレ・・・?」

(今は知らないが昔は野良猫よけにオシッコを入れた2リットルペットボトルが路地の至る所に置かれていた。)




空き家も残す部屋はその部屋で最後。
この部屋の散策が済めば、後は空き家を後にしての解散の雰囲気。

まだ何もY美にアピール出来ていない。

ここしかないのに!
この先、こんなに近くでY美と接するチャンスも何かを直接アピール出来る機会も訪れないだろう!

何かをしなければ、何かをしなければ〜〜。

トチ狂ったオレは小学6年間のサッカークラブで鍛えた脚力を駆使してそのペットボトルを思いっきり蹴飛ばした!

ペットボトルのフタが弾け飛び、中の液体(誰かの小便)が部屋いっぱいに飛び散り、五人は全員ションベンシャワーを浴びる!

「キャ〜〜〜!!!」
「グワァ〜〜〜〜!」
「いやぁ〜〜〜〜!!」

・・・・・・・。

少しの沈黙の後、友達が言った。
「なんやろ、コレ?ただの水?」

そいつが恐る恐る匂いを嗅ぐ。

するとたちまちその友達が「え〜顔」になって、

「なんか・・・、」

「臭っさ・・・・。」

「小便ヤァ〜〜〜〜〜〜!!!」
「ウワァ〜〜ん!」

みんな猛ダッシュで走り出す。
急いで空き家から飛び出してT子の家まで謎のダッシュ!

T子の家についた時、T子が言った。

「河井、ほんま”いらん事し〜”やわ!めっちゃ最悪や!も〜帰って!」

そうT子に言われ、「そらそうだ。」とオレも反省していた。

猛ダッシュで息が切れ、喉がカラカラ。
そんな状態なのに好奇心からオレは自分にベッチャリとついた誰かの小便をソッと匂ってみた。

一瞬で気持ち悪くなり、戻しそうになる。

イカン、堪えろオレ!
誰の御前だと思ってるんだ!
3年間温め続けた、寝かし続けたこの思い、誰かの小便で台無しにする気かぁ!
堪えるんだ〜〜〜〜〜!!!

「ウ、ウ、ウ・・・・🤢🤢🤢」



「ブッへ〜〜〜、🤮🤮🤮🤮🤮ゲ〜〜ロゲロゲロゲロゲロ〜〜〜🤮🤮🤮🤮🤮🤮」

全てのゲェ〜〜が出終わり、オレの全ても終わった・・・。

涙目になりながらソッと瞳を上げると、汚物を見るかのような、哀れむような可愛らしいY美の瞳がオレを見つめていた。

人生初めての大恋愛、終了。

それから阪神・淡路大震災が起こり、Y美は遠い地へと引っ越していった・・・。

オレは小学4年生〜中学1年の一学期が終わる頃くらいまでY美の事が大好きだった。




約20年後、同窓会で再会したY美にその話をすると大爆笑と共に清々しい答え合わせが帰ってきた。

大人になったY美
「う〜ん、ケンちゃんの事は好きではなかったけど面白い子だしまた遊びたいなぁ〜って思ってたよ。震災がなかったら中学でもっと仲良くなってたと思う。」

そんな清々しい話をしながらY美とビリアードを楽しんだ。


好きな人を前にしたら普通でいられないどころか、トチ狂って他人の小便まで巻き散らかしてしまうモノ。

それがオレにとっての小学生の大恋愛だった。

終わり。

















投稿者: アグリとケンちゃんの二人旅(世界)!!!

旅好きなアラフォー二人が始めた世界を巡る旅。 ブログの事も世界の事もまだ全く分かりませんが精進しまっす(^^)

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